マンション賃貸借訴訟 更新料は「有効」...最高裁が初判断

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マンション賃貸借訴訟 更新料は「有効」...最高裁が初判断

 マンションの借り主が賃貸借契約の更新時に貸主に支払う「更新料」は、消費者に一方的な不利益を押しつける「無効」な契約条項だとして、借り主が貸主を相手取り、支払った更新料の返還などを求めた3件の訴訟の上告審で、最高裁第2小法廷(古田佑紀裁判長)は15日、更新料は「有効」とする初判断を示した。貸主側の勝訴が確定した。

 3件の訴訟は高裁で、1件が有効、2件が無効と判断が分かれていた。地高裁で係争中の同種訴訟は約20件あり、最高裁の統一判断が注目された。

 更新料は約40年前から主に京都や首都圏で慣習化しており、契約件数は全国で100万件以上とみられる。今回の3件は、京都と滋賀のマンションの借り主3人が07~08年、賃貸借契約で「1年ごとの更新時に月額賃料の2カ月分を支払う」などの条項が盛り込まれたことについて「消費者の利益を一方的に害する契約条項は無効」との消費者契約法の規定に触れるとして別々に提訴。1審は3件中2件を有効、1件を無効と判断したが、2審では無効が2件となった。
 上告審で貸主側は「借り主は更新料条項も合意のうえで契約締結しており、踏み倒しは許されない」と主張。更新料契約が長年続いてきたのは一定の合理性があるからだとの姿勢をみせた。
 これに対し、借り主側は「契約時に情報や交渉力に格差がある以上、締結せざるを得ない状況に置かれていた」と反論。借り主に更新料を支払う義務があると定めた法律はなく、不合理な慣行だと主張していた。 2011年7月15日毎日新聞配信